大量の油はどう捨てる? 正しい捨て方や基礎知識をチェック!
大量の油を捨てるとき、あなたはどうしていますか?どんなふうに捨てたらいいのか…と悩んだことがある人も多いのではないでしょうか。そこで、今回は大量の油の捨て方をご紹介します。さらに、家庭で出た少量の油を簡単に捨てる方法もご紹介しましょう。
- 油は何回使えるか?油を捨てるタイミングとは
- 少量・大量の場合の捨て方
- まだ使える油の保存方法
1.油は何回使えるか?油を捨てるタイミングとは
1-1.油はどんどん酸化する
まず知っておきたいのは油は酸化する、ということです。
普段、揚げ物や炒(いた)め物に使っている油は酸化することによって傷んでいきます。酸化とは酸素と結びつく化学反応のことです。
油は未開封の状態であっても徐々に酸化が進んでいってしまいます。酸化が進むと不快臭がしたりベトベトした状態になったりして、使えなくなってしまうのです。
さらに揚げ物などに利用すると熱酸化という現象が起きてさらに酸化が進んでいき、徐々に泡立ったりしてきます。
酸化が進んだ油には人体に悪影響を及ぼす成分もできてしまうので身体によくありません。明らかに酸化が進んだ油は利用は控えましょう。
1-2.油の使用回数の目安は?
東京都消費者センターが過去に行ったテストの結果によれば、約30回利用することができるそうです。
揚げ物をする際、油は少しずつかさが減ります。ここに、次に揚げ物をするときにさし油(新しい油を入れること)をすればある程度油の劣化を防ぐことができるのです。
家庭の揚げ物油は長くとも20~30分程度加熱されるだけなので、そこまで熱酸化も進みません。とはいえ、油は熱に弱く2~3回の使用で身体によくない成分が生成されてしまうとも言われています。ちょっともったいない気がするかもしれませんが、おおよそ1か月で3~4回使ったら捨てる、というふうに考えておくのが良いでしょう。
1-3.油の劣化は素材に依存する
実は、油が使っていくうちに褐色に変化する理由は油の中に入れた素材が原因なのです。味がついたものや衣がついたものを入れるとその成分が油に溶け出して色が変化してしまいます。
長く油を使いたい、というときは野菜の素揚げなど素材そのものを使うものから利用するようにしましょう。逆に竜田揚げなどの味や衣がついたものは後回しにすると長持ちさせることができます。ちょっとした技ですが、覚えておくと便利ですよ。
2.少量・大量の場合の捨て方
2-1.少量の場合の捨て方
家庭で使った少量の油を捨てる場合の捨て方をご紹介しましょう。
市販されている凝固剤を使う
これが一番手間がかからない処理方法でしょう。専用の薬剤を油に入れることで固めて、固形にしてくれるものです。ホームセンターなどで売られています。購入したら、取り扱い説明書をよく読んで必ずその指示通りに使用するようにしましょう。
ビニール袋を使って捨てる
少量であれば、ビニール袋やポリ袋に入れて油を捨てることもできます。ビニール袋を使用する場合は、まずビニール袋に穴があいていないかをチェックしてください。その上で、二重にして油が漏れるのを防ぎます。
袋が用意できたら水で軽く湿らせた古い新聞紙や布を詰めましょう。ここに使用済みの油を入れて、中の新聞紙などに油を染み込ませて捨てます。
牛乳パックを使って捨てる
1リットルの牛乳パックを使った処分方法もあります。こちらは揚げ油などで多少油の量が多いときに利用してください。
まず牛乳パックは一度きれいに洗って口を全開にした状態で乾かしておきます。その中に、ぬらした新聞紙や布を詰めて、あとは油を流し込むだけです。その後、口をきちんと粘着テープで塞げばOK。このまま燃えるごみとして処分することができます。
2-2.少量の油を処分するときの注意点
少量の油を牛乳パックやビニール袋を使って処分するときに気をつけたいことがあります。それは油の温度と分別方法です。
まず油の温度についてですが、必ず油が冷えてから処分するようにしましょう。当然かもしれませんが、熱いままの状態で牛乳パックやビニール袋に入れると溶けてしまったり燃えてしまったりする可能性があるのです。また、中に詰め込む新聞紙や布を湿らせるのも発火を防ぐ意味合いがあります。
次に分別方法です。牛乳パックに入れて処分すれば燃えるごみとして処分できると言いましたが、自治体によっては油の分別方法が違う場合があります。各自治体により分別方法は異なりますので、必ず捨てる前に確認するようにしましょう。
2-3.大量の油を処分する場合
もしも賞味期限の切れた油が大量に発見されたら?業務用として使っている油をごっそり処分したいときは?一度にたくさん油を処分したいときの方法をご紹介します。
自治体に問い合わせる
自治体にもよりますが、油を引き取ってくれる窓口がある場合がありますからぜひ問い合わせてみましょう。例を挙げると東京都中野区には、使用済みから未使用のものまで食用油ならなんでも引き取る、という窓口があります。引き取った油は肥料や飼料としてリサイクルされているそうです。
スーパーなどに問い合わせる
最近はスーパーでも油の回収をしている場合があります。油の回収に協力するといくらか還元してくれるところもあるようですから、積極的に利用してみましょう。
3.まだ使える油の保存方法
揚げ物を作るとき、大量に必要となる油ですが、何度か使い回しすることも可能です。その場合、どのように保存しておけば良いのでしょうか。ここでは、油の正しい保存方法をご紹介します。
3-1.揚げ物が終わったらろ過をする
揚げ物が終わったら、ろ紙やガーゼを使って油から揚げカスを取り除くためのろ過を行いましょう。ただし、しっかりろ過を行う場合は、タイミングが重要です。油が完全に冷めてしまってからでは、油全体の粘りが強くなってしまうため、ろ過しにくくなってしまいます。と言っても、揚げ物を終えた直後では熱すぎるので危ないです。ろ過をするなら、触っても大丈夫くらいの程よい熱さになってからを心がけましょう。
3-2.保管中は油が酸化してしまうのを防ぐようにする
油をちゃんと保存するために大切なことは、酸化させないようにすることです。そして、酸化を防ぐためのポイントは次の3つとなります。
- 光が当たるのを防ぐようにする
- 空気に触れるのを防ぐ
- 高温の場所に放置しない
以上3つのポイントを意識して、油を保存するようにしましょう。ろ過した油をオイルポットに入れたら、あとは上記3つの条件に当てはまる冷暗所に保管すればOKです。ガス台やシンクの下に空きがあれば、そこに置いておくと良いでしょう。また、ろ過をしてもフライパンなど表面積が広い容器に入れて保管するのはおすすめできません。表面積が広ければ広いほど、油が空気に触れる面が多くなるため、酸化しやすくなるからです。保管にはフライパンではなく、油ポットを使うようにしましょう。
まとめ
油の捨て方や保存方法などの基礎知識をご紹介してきましたが、いかがでしたか? このように、油の処分の方法にはさまざまなものがあります。ですから、決して誤った処分の仕方はしないでください。特に、少量だからと流しに油を捨てるのは絶対してはいけません。
熱いうちに捨てれば火事のもとに、冷えれば排水口を詰まらせることもあります。また、下水に出れば汚染の原因にもなってしまうのです。
油は正しい方法で処分すれば、資源として再利用できます。自分だけなら…と思わず、多少面倒でも、油はきちんとした方法で処分しましょう。