残置物を処分するために必要な手続きと3つの撤去方法!
アパートやマンションの賃貸経営をしていると、住んでいた人が生活で使っていたものを残して出て行ってしまった…という事態は起こりえる問題です。この残されたものを残置物といいます。
残置物に対してどのように対応するのが正解なのか、そしてどのように撤去をするといいのか、また処分する際に必要となる撤去費用などについてご紹介します。
残置物の問題が起きた場合に備えて正しい対処法を知っておくと、いざというときに役立つはずです。
1.残置物処分に必要な手続き
1-1.無断で処理するのは違法
契約が終了して貸していた人が部屋から退出し、その後残置物に気付いた…もう契約が終了しているから処分してしまってもいいと思ってすぐに処分してしまうとトラブルのもとです。
契約は終了しているとしても、その場所においてあるものは所有者のものであり、勝手に処分をしてトラブルになれば損害賠償問題まで発展してしまうかもしれません。
無断で処理するのは違法となり、いくら契約が終了していても処分した側が悪いとされてしまうので、もしも残置物を見つけた場合は慎重に対応しましょう。
1-2.訴訟を起こして強制執行での処分が通常の手続き
貸していた人に残置物を持っていくようにと再三通告してもなかなか持っていってくれなかったり、そもそも連絡がとれないというパターンもあるでしょう。難しいのは、それでも無断で処分をしてはいけないというところ。
その場合には強制執行で処分をするのが一般的です。
1-3.所有権の放棄に対して同意が得られれば処分できる
もしも退出の際に「部屋にあるものは処分をしてください」「わかりました」というお互いの約束でオーナー側が処分をするとしても、口約束だけで処分はできないようになっています。後で「勝手に捨てた!」なんていわれるかもしれません。トラブルにならないために所有権の放棄の同意を得ておきましょう。
もちろん口約束ではなく書面でやり取りをしてください。それが所有権を放棄したという証明になりますので、処分をしても責められることはありません。
2.残置物を処分する方法
2-1.誰かに譲る
処分する前に、もしその家具や家電を必要とする人がいれば譲るという方法があります。処分にはお金がかかりますから、お金をかけずに残置物を処理したいのであれば、譲れるものはできるだけ譲ることで処分費を減らすことができます。
2-2.リフォーム業者に回収をしてもらう
賃貸人が退出をした際にはリフォームを行って、次に住む人のために環境を整えることもあるでしょう。この時にリフォーム業者が回収まで対応してくれることもあります。
リフォームを依頼する際に回収が可能かどうか一度尋ねてみてはどうでしょうか。費用はかかりますが、まとめて依頼することができるので、新たに別の業者と連絡を取る手間が省けます。
2-3.不用品処理業者に依頼して処分してもらう
不用品回収業者に依頼すれば、まとめて残置物を処分してもらえます。どんなものでも処分してくれる業者に依頼すれば、「これはどこで処分をすればいいのか」といった心配も無用です。
いくつかの業者に見積もりを依頼し、その中から一番いい対応をしてくれた業者を選ぶと良いでしょう。その場まで取りにきてくれて、何でもまとめて処分をしてくれるというのは、オーナーとしては助かりますね。
3.安く処分するためには
3-1.いつも依頼する業者を見つけておく
処分する際に安く処分したいと思うのは当然。不用品処分業者に依頼をすると楽ですが、残置物は処分費用が高くなりがちです。
オススメの方法は、いつも依頼する業者を見つけておくこと。残置物の問題に遭遇したときに、いつも依頼する業者が一つあれば安心ですし、いつも利用しているという点を考慮して値引きもしてくれる可能性があります。
3-2.捨てられるものはまとめて依頼
大抵の不用品回収業者では、残置物で処分したいもの全てをチェックして、これらをまとめていくらという方法で見積もりを出してくれます。
まとめて一緒に捨てられるのが不用品回収業者のメリットでもありますので、お得に利用するためにはトラック満タンまで不用品を処分しましょう。
4. 業者選びの注意点
4-1.金額が適正かどうか
不用品業者の処分費は、どこかで一定の料金が決められているわけではありません。業者側もボランティアではありませんので、処分の際に利益が発生するように料金を請求してくるでしょう。
しかし、あまりにも高い金額を請求されたときには、考え直してみてください。ある程度妥当な金額というものがありますから、複数の業者から見積もりをもらって、明らかに高い金額ではないか、それぞれの業者の相場をチェックしてみてください。
4-2.廃棄の許可を受けている業者であるか
不用品回収業者は、産業廃棄物を処分するための許可を受けている業者しか行ってはいけません。この許可を受けていない業者は、本来は不用品回収業者として営業をできないのです。
そういう回収業者は回収してからどこかに不法投棄をしている可能性もありますから、気をつけなくてはいけません。よく山奥に不法投棄が山積み、というようなニュースもありますが、これらのものがもしかして自分が依頼した残置物かもしれないのです。
あまりに金額が安すぎる業者も、もしかして許可を受けていない業者かもしれませんから、きちんと許可を得ているかどうかの確認も必ずしてください。
まとめ
いかがでしょうか?
- 残置物処分に必要な手続き
- 残置物を処分する方法
- 安く処分するためには
- 業者選びの注意点
この4つで残置物の処分方法から手続きまでをご紹介しました。
不動産オーナーを悩ませる残置物。残されていると次の入居者を募集することもできません。
ただ空いたままで放置しておかなくてはいけませんので、本来であれば入居前にしっかりと契約をして、退去する前に残置物がないかどうかのチェックは立会いのもと行わなくてはなりません。
それでも、突然いなくなってしまう人もいるかもしれませんので、その時は残置物処分に早めに動き出しましょう。適切な手続きを踏まないとトラブルになってしまいますから、きちんと手続きを行ってください。
そして処分をする際にもできるだけ損をしないよう、処分方法を見極めてくださいね。